
NZ生活の守護神「ACC」を使いこなす
1. 「不慮の事故」なら誰でも、どこでも対象
ACCは「ノーフォルト(無過失)主義」を採用しています。
- 誰が悪いかは関係ない: 自分が不注意で転んだ場合でも、相手にぶつけられた場合でも、原因が「事故(Accident)」であれば補償対象になります。
- 対象者の幅広さ: 労働ビザ、永住権保持者はもちろん、学生ビザや短期の観光客であっても、NZ国内で起きた事故なら対象です。
- 裁判は不要: その代わり、NZでは事故による身体的損害に対して個人を訴える(損害賠償請求をする)ことは原則できません。
2. 「病気」と「怪我」の境界線に注意
ここが最も重要なポイントです。
- 対象になるもの(怪我): 料理中の火傷、スポーツ中の骨折、階段での捻挫、仕事中の腰痛(急性のもの)、さらには歯科治療(事故による破損)や、性暴力による精神的苦痛なども含まれます。
- 対象外なもの(病気・加齢): インフルエンザなどのウイルス性疾患、加齢による関節の痛み、徐々に進行した持病などは対象外です。これらは通常のGP受診となり、全額自己負担(またはPHO補助)となります。
3. 最大のメリット「所得補償(Weekly Compensation)」
もし怪我で仕事ができなくなった場合、ACCが生活を強力にバックアップしてくれます。
- 給与の80%を補償: 事故の影響で働けない期間、**以前の所得の80%**がACCから支払われます。
- いつから支払われる?: 最初の1週間は雇用主が(仕事中の怪我の場合など)支払うか、有給休暇等を使いますが、8日目以降はACCの支払い対象になります。
- 2026年現在の注意点: 2026年4月1日より、ACCの保険料率(Levy)や上限所得額が改定されています。高所得者の場合、補償の対象となる上限額(Max Liable Earnings)が引き上げられているため、自身の給与明細を確認しておきましょう。
4. 申請は「自動」で始まる
日本のように「後で領収書をまとめて申請」という面倒な手続きは不要です。
- 医療機関へ行く: 怪我をしたら、GP(かかりつけ医)、フィジオ(理学療法)、またはA&M(緊急クリニック)へ行きます。
- 「ACC Form」に記入: 受付や診察室で「これは事故ですか?」と聞かれ、書類(ACC45)を書くよう言われます。
- その場で申請完了: 医師がオンラインでACCに申請を送ります。その瞬間から、その怪我に関する診察代が「ACC割引価格」になります。
5. リハビリこそACCの真骨頂
診察代だけでなく、その後の回復へのサポートも手厚いです。
- フィジオ(理学療法): 捻挫や腰痛の際、理学療法士によるリハビリが格安(あるいは無料)で受けられます。
- タクシー代や育児援助: 怪我がひどく、自分で運転できない場合の通院タクシー代や、家事ができない場合のホームヘルプ費用がカバーされることもあります。
💡 知っ得ポイント 「仕事中の怪我じゃないから関係ない」は間違いです。週末のラグビーや、自宅の庭掃除で痛めた腰も、しっかり「事故」として申請しましょう。
